不動産投資を検討している人の中には、中古マンションや中古アパートなどの既に運用が開始されているオーナーチェンジ収益物件が気になっている人もいると思います。新築物件、オーナーチェンジ収益物件(中古物件)ともにメリット・デメリットがあるため、運用開始後に失敗したと後悔しないためにも、違いをよく理解することが大切です。
この記事では、オーナーチェンジ収益物件のメリット・デメリット、注意点などを解説します。オーナーチェンジ収益物件について詳しく知りたいという人は参考にしてください。
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目次
オーナーチェンジ物件のメリット
投資用不動産を新築・購入する、中古の投資用物件を購入するといったように、賃貸経営の始め方はさまざまです。しかし、違いをよく分からないまま、運用を開始した場合、想定通りの収益を得られず購入後に後悔する可能性もあるため、違いをよく理解した上で賃貸経営を開始することが重要です。
オーナーチェンジ収益物件のメリットとして、以下の3つが挙げられます。
3つのメリット
・取得後すぐに家賃収入を得られる
・収支計画を立てやすい
それぞれのメリットを詳しく説明していきます。
初期投資を抑えられる
新築収益物件と比較するとオーナーチェンジ収益物件のほうが初期投資を少なく抑えられます。その理由は、オーナーチェンジ収益物件は築年数の経過により資産価値が減少している(減価償却)、新築収益物件のように建築会社(不動産会社)の利益が売買価格に上乗せされていないためです。
そのため、自己資金をあまり用意できない人でも不動産投資を始めやすい点が大きなメリットといえます。ただし、担保としての価値はオーナーチェンジ収益物件のほうが低いため、融資条件が悪くなる(金利が高い、返済期間が短い)可能性があるという点に注意が必要です。
取得後すぐに家賃収入を得られる
建物の購入後は次回の家賃支払いのタイミングで家賃収入を得られます。新築収益物件は、運用を開始してもすぐに家賃収入が手に入るとは限りません。賃料収入を安定して得られなければ、物件取得時に金融機関と契約した不動産投資ローンの返済に支障が生じるおそれも。
しかし、オーナーチェンジ収益物件は、入居率の高い(満室に近い)物件さえ取得すれば、賃料収入を継続的・安定的に得られる可能性が高いです。購入直後に返済原資を確保できるのでキャッシュフローが安定しやすい点がメリットといえるでしょう。
収支計画を立てやすい
おおよその家賃収入をもとに、返済をいくらにすれば良いか収支計画を立てやすいのは大きなメリットです。新築は想定利回りしか分からないため、収支計画にずれが生じやすいというデメリットがあります。資金力の低い人が新築収益物を運用した場合、資金ショートを起こす可能性が高いことを踏まえると、オーナーチェンジ収益物件のほうが資金ショートのリスクを軽減できるでしょう。
オーナーチェンジ収益物件のデメリット
オーナーチェンジ収益物件を運用することにはメリットだけでなくデメリットも伴うため、双方を把握した上で総合的に判断することが大切です。
オーナーチェンジ収益物件のデメリットとして、以下の2つが挙げられます。
デメリット
・契約中の入居者の契約条件を変更できない
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
入居中の室内の状況を確認できない
オーナーチェンジ収益物件の場合、賃借人がいる部屋の状況は確認できません。状態を確認できるのは空き部屋のみとなります。長期入居者がいる場合、退去の際に大幅な修繕が必要になる可能性があります。敷金を充当できても経年劣化を原因とする原状回復には敷金を充当できません。戸数の多い一棟投資用マンションなどを取得した場合、長期入居者の退去が続くと、支出の増加によりキャッシュフローが悪化するリスクを伴うので注意が必要です。
契約中の入居者の契約条件を変更できない
オーナーが変わったからといって、現入居者の同意を得ずに契約条件を変更することはできません。例えば、売主から引き継いだ物件の家賃が相場よりも低い場合でも家賃設定を見直せない、ペット可をペット不可に変更できないなどです。条件を変更したい場合、入居者の入れ替わりが生じるまで待つ、契約更新を待つ必要があるということを理解した上で収益物件を取得しましょう。
オーナーチェンジ収益物件の注意点
インターネットでオーナーチェンジ収益物件を検索すると、数多くの物件が表示されます。基本的に長期運用を想定している収益物件が途中で売りに出されているということは、何らかの理由が潜んでいるのが一般的です。そのため、「掘り出しものだ」とオーナーチェンジ収益物件に飛び付くのではなく、注意点をよく理解してから取得するかどうかを決めることが大切です。オーナーチェンジ収益物件の注意点として、以下の4つが挙げられます。
注意ポイント
・入居者トラブルが発生している可能性がある
・大きな修繕を控えている可能性がある
・入居者のまとまった退去を控えている可能性がある
それぞれの注意点を詳しく紹介していきます。
空室率が高い可能性がある
収益物件を手放す理由として、空室で収支計画に支障が生じているという原因が考えられます。例えば、単身世帯の多いエリアで3DK、3LDK、4LDKの間取りの物件だと、需要が期待できません。そのような物件を取得しても、空室対策による入居率改善が期待できないので避けたほうが良いでしょう。
一方、空室の原因が明確であれば、原因を改善することで入居率上昇が期待できます。ただし、原因不明の場合は、取得後も空室率の高さが原因で経営に失敗するおそれがあるので注意が必要です。
入居者トラブルが発生している可能性がある
家賃滞納や騒音など、入居者トラブルの多発により物件を手放そうと考えている可能性があります。「取得後に悪質な入居者を追い出せばいいだけだ」と考えている人も多いかもしれませんが、余程経営に悪影響があると判断されない限り、借主の借りる権利が重視されるため、退去させることはできません。取得後も前オーナーと同じ悩みを抱くことになるため、よく物件を見てから購入を判断しましょう。
大きな修繕を控えている可能性がある
築25年を超えた物件は、耐用年数を迎える設備が増えてきます。耐用年数を迎えたからといって、必ず修繕や交換が必要というわけではありません。しかし、放置すると、故障が頻発する、使い勝手が悪いなどの理由で退去者が増える要因となります。前オーナーが適切な修繕を行っていなかった場合は、数百万円、数千万円の修繕費用がかかるケースも珍しくありません。十分な資金を確保する前に修繕を迎えると、資金ショートを起こす可能性があるので修繕履歴をしっかり確認しておきましょう。
入居者のまとまった退去を控えている可能性がある
借主が解約を希望する場合、貸主には退去の1カ月前くらいに通知されます。そのため、退去される前なら空室率が低い状態で売却できるという理由から、入居者のまとまった退去を控えている物件が売りに出されることも多いです。そのような物件を「利回りが高い物件だ」と勘違いして取得した場合、高値掴みになります。決して安い買い物ではないので、本当に投資価値の高い物件かどうかをよく考えてから購入しましょう。
物件選びが成功を左右する
不動産投資を始めたからといって、継続的・安定的な家賃収入が保証されているわけではありません。不動産投資で成功するかどうかは、物件選びにかかっているといえます。単身者の増加を踏まえると、ファミリー向けの物件ではなくワンルームや1LDK、2LDKを選択したほうが安定的な需要が期待できます。駅徒歩圏内、コンビニやスーパーといった日常生活に欠かせない施設が近い(周辺環境の良さ)など、需要が期待できる条件(収益性が高い)の備わった賃貸物件かしっかり判断することがポイントです。
基礎知識をしっかり身に付ける、情報収集をしっかり行ってから賃貸経営を開始しましょう。また、いくらオーナーチェンジ収益物件が新築収益物件よりも安いといっても、安い買い物ではありません。オーナーチェンジ収益物件は銀行の融資を新築収益物件よりも受けにくいため、ある程度の自己資金を確保しておかなくてはならないということも覚えておきましょう。