相続で一戸建てや土地などを取得した人の中には、不動産売却により現金化するのではなく、相続した不動産で不動産投資(賃貸経営)を始めたいと考えている人もいると思います。
しかし、相続した土地で不動産投資を始める場合は、土地面積(敷地面積)が広くなければ、運用が中途半端に終わってしまう可能性もあるので注意が必要です。この記事では、100坪の土地の所有権を持っている人が不動産投資を始める際のポイント、100坪の土地でできる不動産投資、始める際の注意点などを解説します。※本記事には「PR」が含まれます。
目次
100坪の土地で不動産投資を始める際のポイント
被相続人の住んでいた分譲住宅や注文住宅などの住まいで不動産投資を始める場合は、ある程度の手直しが必要ですが、そこまでハードルは高くありません。
しかし、被相続人の有していた更地(空き地)で不動産投資を始める場合には、1から不動産投資(賃貸経営)を始めることになり不動産投資のハードルが高くなるので注意が必要です。ハードルの高さはリスクの高さと比例しているため、不動産投資を開始する場合はリスクを抑えるためにも以下の2つのポイントを押さえた上で開始することが大切です。
ポイント
・用途地域を確認する
・建蔽率(建ぺい率)・容積率を確認する
それぞれのポイントについて詳しく説明していきます。
用途地域を確認する
不動産投資を検討している100坪の土地が必ずしも運用に向いている土地とは限りません。
例えば、農地の場合は自由に建物を建てることができないため、最低限でも宅地(住宅用地)でないと不動産投資を開始できません。
また、用途地域による制限を受けるため、どのような用途地域に該当しているのかを事前にチェックしておく必要があります。
用途地域とは、都市計画区域、準都市計画区域内に定められている土地の利用に関する規定です。全部で13種類に分けられており、住居系、商業系、工業系の3つに大別されます。用途地域によって建てられる物件の種類、規模が異なるため、事前に確認しておきましょう。
建蔽率(建ぺい率)・容積率を確認する
100坪の土地だからと言って、100坪の範囲内で自由に建物を建築できるわけではありません。建物は建蔽率や容積率といった建築基準法上のルールに従って建築する必要があります。
建蔽率は敷地に占める建物の面積の割合を指し、容積率は敷地に占める建物の延床面積(延べ床面積)を指すという違いがあります。例えば、100坪の土地で建蔽率60%の場合、建築面積60坪までの建物を建築することが可能です。
容積率100%で1階部分を60坪にした場合、100坪から60坪を引いた40坪を2階部分として割り振れます。建蔽率と容積率は地域によって異なるため、分からない人は各自治体の役所に聞いてみましょう。
100坪の土地でできる不動産投資
坪数が100坪未満の場合は、土地が狭くなるので始められる不動産投資が何かと制限されます。家を建てることができない坪数(平米)の場合は駐車場経営も選択肢の1つですが、エリアにもよりますが、車離れが進んでいる現状を考えると他の選択肢を検討したくなります。
土地の大きさが100坪程度あれば選択できるプランが増えるため、自分の目的に合った不動産投資を始めやすくなります。100坪の土地でできる不動産投資として、以下の3つが挙げられます。
ポイント
・一戸建て経営
・一棟アパート経営
・一棟マンション経営
それぞれの不動産投資を詳しく解説していきます。
一戸建て経営
一戸建て経営(一戸建て投資)は、初期投資が比較的少ない経営形態です。
他の2つの方法よりも初期費用を抑えられるため、高利回りでの運用が期待できます。ファミリー向けの物件であるため、長期間入居が期待できる一方で、空室期間も長くなりやすいという点がデメリットです。
また、入居者がいる場合は継続的に安定した家賃収入が期待できますが、入居者がいない場合は家賃収入が全く得られません。家賃収入が0または得られるかという極端な経営状態になり、空室リスクが他と比べて高いという点にも注意してください。
一棟アパート経営
一般的に2~3階建ての一棟アパートを建築して貸し出すのが一棟アパート投資です。
一戸建て投資と比べて初期投資が多くなる一方で、複数の部屋を有しているので家賃収入が0になるリスクが低いという特徴があります。
建物の構造は木造であることがほとんどで、建築コストは一棟マンション投資よりも抑えられるため、リスクとリターンのバランスが優れた不動産投資と言えるでしょう。
一棟マンション経営
一般的に3階建て以上の一棟マンションを建築して貸し出すのが一棟マンション投資です。「一棟アパートとの違いがよく分からない」と気になった人もいると思いますが、両者の違いは建物の規模、構造にあります。
一棟マンションは一棟アパートより階数が高く、構造が木造や軽量鉄骨造ではなく、鉄筋コンクリート造に変化するため、新築にかかる建築コスト(建築費)が高くなることで、初期投資がさらに大きくなります。利回りが低くなる、建蔽率や容積率の基準が高いエリアでしか運用を開始できない点に注意してください。
不動産投資を始める際の注意点
100坪の土地で不動産投資を始める際の注意点として、以下の3つが挙げられます。
注意ポイント
・家賃収入が保証されているわけではない
・収支をシミュレーションする
・知識をしっかり身に付ける
それぞれの注意点について紹介していきます。
家賃収入が保証されているわけではない
賃貸経営を始めた場合、継続的に安定した家賃収入が得られると思っている人もいるかもしれませんが、「賃貸経営=家賃収入が保証されている」というわけではありません。
賃料収入は入居者がいて得られるものなので、駅からの距離が近いか、周辺にコンビニやスーパーなどの日常生活に欠かせない施設が揃っているかなど需要の期待できる立地条件、間取りなのかどうか事前に確認しておくことが重要です。
また、空室が生じた場合は、不動産管理会社と一緒に空室対策も取り組む必要があります。空室リスクを軽減したいという人は、家賃保証付きのサブリース契約を締結すれば、空室が生じていても満室状態の家賃収入を得られるため、収益性が安定するでしょう。
収支をシミュレーションする
不動産所得がプラスなのかどうかをしっかりシミュレーションしてから不動産投資を開始することも重要です。不動産投資を始める際には、自己資金だけでは資金が足りないため、金融機関の不動産投資ローンを利用するのが一般的です。
家賃収入や共益費などの収入からローンの返済額、修繕費、水道光熱費、税金などのコストを引いても十分な利益が期待できなければ不動産投資を始める意味がありません。収支をシミュレーションして、十分な利益を期待できることを確認してから投資を開始しましょう。
知識をしっかり身に付ける
不動産投資は不動産管理会社に管理を委託できるため、投資初心者でも始めやすいという点が大きなメリットとして挙げられます。
しかし、不動産投資には専門的な不動産用語が多く存在し、不動産管理会社がサポートしてくれるのも管理に関することのみで経営判断(最終決断)はオーナーが下さなくてはならないため、最低限の基礎知識は身に付けてから不動産投資に臨むことが大切です。
例えば、所有地が前面道路の道路幅が建築基準法の基準を満たしていない要セットバックだった場合、反対側(向かい側)が水路の場合は4m、住宅の場合には道路境界線から2m建物を後退させる必要があります。知識がないと不動産投資に失敗するリスクが高まるため、基礎知識をしっかり身に付けましょう。
よく考えてから投資を始めることが重要
土地所有者の中には、土地活用の一環として不動産投資を検討している人も多いと思いますが、必ず継続的な収入が得られると約束されているわけではありません。
不動産投資は元本が保証されているわけではないため、運用に失敗すれば資産を大きく減らすリスクを伴います。固定資産税や都市計画税が無駄にかかることを考えると土地を売却したほうが良いケースもあるため、失敗を未然に防ぐためにもよく考えてから投資を始めましょう。
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