不動産投資全般

【初めての不動産投資】不動産投資の始め方~失敗しないためのチェックリスト45個

赤ペンでチェックを入れる

昨今、コロナの影響もあり今後の家計が心配、もしくは、将来の貯えのために副業や投資をお考えの方も多いのではないでしょうか?

市況に関わらず安定している投資として、不動産投資を始めたいという方もいらっしゃると思います。特に、株やFXと異なり、管理は賃貸管理会社に任せるなど方法があるので、副業としてもおすすめです。


この記事では、初心者向けに、不動産投資を始めるなら知っておきたい重要な項目をチェックリストにまとめてピックアップしました。

それぞれのチェックリストには解説もありますので、内容を確認しながら読み進めていきましょう!
※本記事には「PR」が含まれます。

目次

チェックリストの使い方

これから不動産投資を始めようと考えている方へ。
不動産投資を始める前に確認しておくべき情報を45個のチェックリストにしています。

確認したらチェックをして、チェックがない部分がないかを最後に見直しましょう。

1. まず、不動産投資とは何かを知る

人差し指を立ててチェックを示す女性

不動産投資には2つの方法があります。

まず1つ目は、不動産を取得し家賃収入を得る方法です。

家賃収入のように、資産を保有することで定期的に得られる収入は「インカムゲイン」と呼ばれます。

2つ目には、購入した不動産を売却して利益を得る方法があります。

不動産価格が購入時よりも上昇した場合、ご自身が所有する不動産を売却して利益「キャピタルゲイン」を得る仕組みです。

不動産投資を始めたいと考えている人の中には、世界的なベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」に影響を受けたケースもあることでしょう。

「資産を保有することで家賃収入を得たり、購入した不動産を売却することにより利益を得たりできる」という点が不動産投資の特徴です。

1.不動産投資のメリットを知っているか
  • 自己資金だけでなく、融資を受けて投資ができる
  • 不動産の運営をプロの業者に任せられる
  • サラリーマンの副業として認められやすい
  • インフレに強い
  • 節税になる

不動産投資が副業で人気の理由は、資金面・運営面など、自分の力だけではなく他人の力を借りて運用できる点です。

また、インフレが生じた場合、それにともなって家賃も上昇するため、インフレ対策となります。

不動産投資は節税できることも強みです。不動産経営の経費を計上することで課税所得を下げられるため、所得税、住民税を抑えられます。

そのほか、不動産を相続した場合の評価額は現金で保有している場合よりも下がるため、相続税も抑えられます。

2. 不動産投資のデメリットを知っているか
  • 初期投資の費用がかかりやすい
  • 失敗すると損失が大きくなりやすい
  • 「人」が相手なので手間や心労を感じやすい
  • 競合相手が多く、回転率が低い

不動産投資のための不動産の購入は高額になりますので、殆どの方が、不動産投資ローンを扱う金融機関から融資を受けることになります。

フルローンといった種類のローンもあるものの、一般的には融資を受けるために、一定額の自己資金が必要です。

また、多額の資金を借り入れて投資するため、家賃収入が少なければ損失が増えてしまいます。

不動産投資は入居者がいることで成り立つものであり、トラブルが発生すると退去の原因にもなりかねません。

また、人気の高いエリアほど競合相手が多くなりがちで、家賃収入は想定よりも低くなることがあります。

3. 不動産投資のリスクを知っているか
  • 空室リスク
  • 価格変動に対するリスク
  • 老朽化のリスク
  • 納や夜逃げのリスク
  • 高齢化やコロナ禍による事件・事故のリスク

代表的なリスクとしては、空室リスクがあります。家賃収入を得ることで、お金が入る仕組みなので、入居者が入らないということであれば、大きなリスクになります。また、入居者があっても、滞納したり、夜逃げのリスクも考えておく必要があります。

特に、現在はコロナ禍の状況にあるため、入居者リスクを考えておく方が良いでしょう。 また、長年所有すると物件が老朽化するため、修繕費も考慮しておく必要があります。

4. 不動産投資の種類を知っている?
  • 住居系
    →集合住宅(アパート・マンション)(区分で投資・一棟全て投資)
    →戸建物件
  • 商業系(ビル、駐車場、店舗、コインランドリーなど)
  • その他(民泊、シェアハウスなど) 不動産投資の種類を大きく分けると、住居系、商業系、その他となります。  

2. 不動産投資の目標を立てる

積み木

不動産投資は目的や目標に応じて、投資の進め方に大きな違いがあります。また、不動産投資を成功させるポイントは、具体的なプランを立てることです。

5. 融資を利用し、少ない自己資金で早く始められるか

不動産投資で収入を増やすためには、自己資金が少なめであっても融資を利用して早めに始めることがポイントとなります。

その理由は、早めに不動産投資を始めることで不動産経営の期間が長くなり、多くの収入を得られるためです。

また、早めに不動産投資を始めると投資の経験と知識が身につくため、長い目でみると失敗を回避することができます。

6. 長期にわたり安定的な収入を得られるか

長期にわたり安定的な収入が得られるか、という観点も不動産投資においては重要です。

長期的な安定収入を得るためには、現時点における物件の需要の高さも大切ですが、不動産を所有する地域が長い目でみて発展するかどうか、という観点を持って不動産投資をすることもポイントとなります。

7. サラリーマンの節税になるか

サラリーマンとして節税効果が期待できるのは「減価償却費」を計上できる場合です。減価償却費とは、建物の購入費用を建物の耐用年数に応じて経費にできるもの。

減価償却費に相当する額は物件の購入時に支払い済みであるため、一般的な経費とは異なって出費がなく、お金は手元に残ります。

特に、減価償却費はまとまった額になりやすいので、節税効果が期待できます。

ただし、耐用年数を過ぎた物件は減価償却が終了するため、中古物件は減価償却費を計上できない場合がある点に注意が必要です。その他、主な節税の対象として、所得税・住民税があります。

但し、節税のつもりがかえって損をすることもあり得ますので、節税の仕組みを十分知っておきましょう。こちらの記事では、節税の仕組みを解説しています。

8. 相続税対策に有効か

不動産投資は相続税対策においても有効となります。

その理由は、現金として相続するよりも、不動産として相続すると相続税の課税評価額が低くなるためです。

ただし、あくまでも安定した不動産経営を行うことが前提となります。相続税が節税できても、肝心の不動産収入が少なければ本末転倒となってしまいます。

9. 万が一死亡したとき、残される家族に迷惑がかからないか

不動産投資において万が一のことについても考えるなら、死亡してしまったときに家族に迷惑がかからないかどうか、という点が問題となります。

特に、不動産投資では多額のローンを抱えていることが多いため、不動産経営の途中で死亡したらローンの支払いをめぐって家族に迷惑をかけてしまいます。

そのような事態を防ぐには「団体信用生命保険」に加入する方法があります。万が一死亡した場合はローンの残額は保険金から支払われるため、家族に迷惑がかかりません。

10. 何が起こるかわからない世の中において、インフレ対策になるか

不動産投資をするとインフレ対策ができます。その理由は、物価の上昇にともなって地価が上がると固定資産税も上がるため、家賃の上昇に反映できるためです。

また、不動産投資で融資を受けた場合、インフレになると借り入れした金額の返済が容易になります。これらの面から、不動産投資はインフレ対策となるのです。

11. 将来的に転売で利益を上げたいかどうか

不動産投資の目的としては、将来的に転売して利益を上げたいかどうかもポイントとなります。

不動産投資の転売で利益を上げるためには、投資をするときに「今後不動産の需要が高まるかどうか」という視点を持つことが重要です。

街の開発や人口の増加が見込めるなど、不動産の需要が高まると予想されるなら、転売を視野に入れることも検討しましょう。

3. 資金の調達を考える

電卓と虫眼鏡とfinanceと書かれた積み木

不動産投資の魅力は、自己資金が少なくても融資によって資金を調達できれば投資が行えることです。

計画的に、そして無理なく不動産投資を始めるために、資金調達の基礎的な知識を紹介します。

12. 「頭金」「融資」「諸費用」のバランスを理解しているか

物件を購入する場合、頭金として用意する額は物件価格の1~2割程度、融資を受ける金額は8~9割程度が目安です。

そのほか、物件を購入する場合は諸費用もかかります。

主なものとしては印紙税、登記費用、住宅ローン事務手数料、火災保険料などがあります。なお、中古物件を購入する場合は仲介手数料も必要です。

13. フルローンのメリット、デメリットを理解しているか

フルローンとは物件を購入する場合、全額をローンでまかなうことを意味します。

メリットは頭金が不要であるため現金が手元に残り、いざというときの出費に耐えられることです。

デメリットは利息額が増えるため返済総額が増えてしまうこと、それにともなって不動産経営の実質利回りが下がってしまうことです。

14. 融資を受けやすい物件について理解しているか

融資を受けやすい物件は、担保としての価値が高い物件です。

ローンの返済がとどこおると物件の所有者は金融機関に移ります。担保としての価値が高いと売却額も高くなるため、ローンの返済がとどこおったとしても、担保物件を売却すれば、とどこおった分のローンの返済額を回収できます。

担保の価値が高い物件とは、地価の高いエリアにある物件や、建物が完成してから数年程度しかたっていない物件などが当てはまります。

15. 融資を受けやすい個人(企業)の属性について理解しているか

融資を受けやすい個人、あるいは企業とは安定的な収入を得ていることです。

個人の場合は会社員、または公務員で勤務年数が長いこと、企業の場合は直近3年間が黒字経営で、今後も黒字が見込まれることです。

個人事業主も安定した経営を行っていれば融資を受けやすくなります。

16. 金利に敏感であるか

融資を受ける際に抑えておきたいのは金利の利率です。金融機関ごとの金利差はわずかであったとしても、長期間にわたって借り入れを行うと返済総額は大きく変わります。

お得な金利の条件で融資を受けると返済額を節約できるため、不動産経営の利益を高めることができます。

17. 銀行融資はインカムゲインが歓迎されることを意識しているか

不動産投資で融資を受ける場合、インカムゲインが目的であることを伝えると融資を受けやすくなります。

インカムゲインが目的なら、銀行側としては長期間にわたって貸し出しができるため、多くの利息収入を得られます。

その反面、キャピタルゲインが目的の場合、銀行としては融資が短期間になる可能性を考えるため、融資を渋ることもあります。

18. 不正融資の事例について前知識があるか

不動産投資における不正融資の事例としては、不動産投資向けのローンよりも金利が低い住宅ローンの商品を利用するケースがあります。

住宅ローンとは、ローンを借り入れしている本人とその家族が住宅で暮らすことを目的としたローンであるため、不動産投資では利用できません。

不動産投資で住宅ローンを利用していることが金融機関に知られると、一括返済を求められます。

たいていの場合は返済しきれず、生活が破綻する原因になるため、目的に合ったローン商品を利用することが重要です。

19. 家族の理解を得ているか

また、不動産投資をする場合は、家族の理解を事前に得ておくことも大切です。

家族に話を通さないまま不動産投資の手続きを進めてしまうと、家族に伝えたときに反対され、不動産投資が行えなくなることがあります。

不動産投資では多額の借り入れを行うため、家族としては反対しがちです。家族の賛同を得るには、不動産投資の内容を理解してもらい、納得してもらうことを心がけましょう。

4. 不動産投資の情報収集・学習をする

ファイルのページをめくろうとする男性のサラリーマン

不動産投資を成功させるためには、投資に関する基礎的な知識や投資経験者の経験など、さまざまな情報を収集することが必要です。

この項目では、不動産投資の情報収集や学習の方法をリストアップします。

20. 不動産投資関連の書籍を熟読し、専門用語や方法などについて基礎知識を得たか

不動産投資に関する基礎的な知識を得るには、書籍を読むことが最も効果的です。

現在では、不動産投資に関する知識はインターネットでも得られますが、インターネットを利用すると個人的に興味がある内容ばかり検索しがちで、知っておきたい内容を見逃してしまうことがあります。

その点、書籍なら知っておきたい内容がくまなく載っているので、不動産投資の知識をまんべんなく吸収できます。

21. 不動産投資経験者のブログで知識を補充したか

不動産投資の実態の知識を得るなら、不動産投資を実際に行なっている経験者ブログがおすすめです。
失敗・成功談から学べるヒントが多いはず。是非チェックしましょう。

22. セミナーに参加してみたか

不動産投資の知識を増やすために特に効果が高いのは、不動産投資のセミナーに参加することです。

書籍やインターネットで得られる知識にはタイムラグがありますが、セミナーに参加すると最新の情報を得られます。

また、不明な点は講師に直接質問できるので疑問点がすぐに解消します。

そのほか、セミナーの参加者同士で横のつながりを持てることもセミナーに参加するメリットです。不動産投資に関する生の情報が得られると、投資に関する理解がより深まります。

5. 不動産投資の物件を探す

木の模型の家と虫眼鏡

不動産投資に関する知識を十分に得ることができたら、不動産投資の物件を探しましょう。

WEBサイトや広告チラシ、不動産会社の口コミから調べる方法もありますが、最終的な判断に必要なのは、現地に足を運び、実際に物件を目にすることです。

23. WEBサイトを活用し条件を設定したか

物件を探すときに最も効率的なのはWEBサイトの活用です。

物件の画像や間取りが載っているほか、築年数、広さ、駅からの所要時間などの情報も調べられます。

物件の目星をつけるなら、WEBサイトの利用が効率的です。

24. 広告チラシなどの紙媒体もチェックしたか

また、WEBサイトで調べるだけでなく、広告チラシや不動産情報誌などの紙媒体もチェックする習慣をつけましょう。

紙媒体は定期的に発行されるため、それを常にチェックしていると、物件情報の種類や価格などの変化を感じやすくなり、顧客が求める不動産の需要を読み取りやすくなります。

入居者のニーズを知るためには紙媒体の定期的なチェックが有効です。

25. 不動産会社の口コミをチェックしたか

物件を取得する場合は不動産会社を通す形になるため、不動産会社の口コミをチェックしておくと、不動産経営中のトラブルの発生を防ぎやすくなります。

口コミはネット上で調べられます。良い口コミが多い不動産会社は多くの顧客から信頼を得ていることが読み取れます。

26. 賃貸需要がある地域の物件を扱っている不動産会社を選んでいるか

また、不動産投資で収益を上げるなら、賃貸需要がある地域の物件を扱っている不動産会社を選ぶことがポイントです。

人口の多い都市部ほど賃貸需要が高まるため、物件を所有すると入居が見込みやすくなります。

27. 信頼できる営業担当者を味方につけているか

条件に合った物件を探すなら、信頼できる営業担当者を味方につけましょう。

自分自身で不動産を見極める目を持つことも重要ではありますが、営業担当者は地域の不動産について豊富な知識を持っています。営業担当者の力を借りることで収益化が見込める物件を探しやすくなります。

28. 現地調査に何度も足を運んだか

物件を決めるうえで大切なことは、物件を自分自身の目で確かめるために現地に足を運んで調査をすることです。

WEBサイトや広告チラシから物件を選ぶ方法もありますが、現地に足を運ぶことで物件の状態や街の雰囲気を確かめられます。足を運ぶからこそ得られる貴重な情報もあるので、現地調査は忘れずに行いましょう。

6. 物件の購入手続きを行う

不動産売買契約書と図面とはんこ

投資する物件が決まったら、物件の購入手続きを行います。申し込みから物件の引き渡しまではさまざまな手続きが行われるので、事前に手続きの内容をチェックしておき、スムーズに手続きを進めましょう。

29. 物件購入の申し込み

購入する物件が決まったら、物件購入の申し込みである「買い付け」を行います。買付証明書には購入希望金額、支払い方法、有効期限などを記載し売主に提出します。なお、物件を購入したい人が複数いる場合は、誰に販売するかを売主が決めるため、必ずしも購入できるとは限らないことに注意が必要です。

なお、売主が誰に物件を売るかを決める基準としては、価格、先着順、現金払いなどがあり、売主によってさまざまです。

30. 融資審査(事前審査)

物件の購入が決まったら、銀行に融資を依頼します。銀行に直接依頼する方法のほか、不動産会社と提携している金融機関を紹介してもらう方法もあります。

最初に行う審査は「事前審査」で、銀行の支店が審査を行います。もし審査に通らなかったら他の銀行に相談してみましょう。

審査が通ったら「本審査」が行われますが、本審査は売買契約を行った後、ローンの申し込みの際に行われるもので、銀行の本店が審査します。本審査に関しては、チェックリスト「35」でも説明します。

31. 重要事項説明書確認

重要事項説明とは、売買契約の前に行われる説明のことで、物件に関する詳細と売買契約に関する内容の説明を受けるものです。

専門的な用語が並ぶため、理解するのが難しいと感じられますが、重要な内容が書かれているため、契約する前に内容を十分に把握しておきます。

32. 手付金の支払い

手付金とは、売買契約を交わす際に買主が売主に対して支払うお金のことです。手付金は、契約が成立した証拠金としてみなされます。

手付金の相場は売買代金の5~10%程度が目安です。物件価格が3000万円で手付金が価格の5%である場合、手付金は150万円となります。手付金は高額となるため、手付金の額を事前に調べ、あらかじめ用意しておきましょう。

33. 売買契約書の確認 署名捺印

売買契約を締結する場合は、売買契約書に記載されている内容を十分に確認します。売買契約書で確認する項目は以下の通りです。

■不動産の表示
→物件に関する内容が記載されているか確認
■売買代金の支払い方法
→売買金額の確認と、手付金の額、残代金の額とそれぞれの支払日を確認
■土地面積
→登記簿面積と実測面積を確認。異なる場合はその理由を売主に確認する
■所有権の移転時期および移転登記手続き
→物件の所有権が買主に移る時期と登記手続きを行う時期について確認する
■抵当権などの登記抹消
→抵当権が設定されている場合、移転登記手続きまでに抹消されるかを確認する
■公租公課の負担
→公租公課は買主・売主がそれぞれいつからいつまでの分を支払うかを確認する
■危険負担に関すること
→物件を引き渡す前に災害が発生して物件が破損した場合、どう対応するかを確認する
■瑕疵担保責任
→建物に傷や不具合などの「瑕疵(かし)」が見つかった場合の対応方法を確認する
■付帯設備の引き渡し
→エアコンなど、物件に付随している設備は使用できるかどうかを確認する
■契約違反による解除
→買主または売主が売買契約に違反した場合の対応方法を確認する

34. 管理会社の選定

不動産の管理を委託する場合は、管理会社を選びます。

定期的に管理状況を報告し、トラブルが発生した場合の対応が迅速な管理会社なら安心して任せられます。不動産管理の経験が豊富な会社なら信頼度が増します。

35. ローン契約

融資の審査が下りて売買契約を締結したら、ローンの申し込みを行い、必要な書類を提出します。その後、銀行の本店が本審査を行います。

事前審査が下りていれば本審査も下りることがほとんどですが、他のローンの返済がとどこおってしまった場合など、ごくまれに本審査が通らないことがあるので注意が必要です。

本審査に通ったら、ローン契約を締結します。物件の代金の支払いは引き渡しのときに行うため、ローン契約は物件の引き渡し前に行います。

36. 決済・引き渡し

決済が行われると売主に物件の代金が支払われます。この時点で物件の引き渡しが行われ、物件に関する書類、付帯設備の説明書、鍵が引き渡され、不動産投資を行うことができます。

7. 購入後、オーナーとして行うべき仕事

模型の家を両手で持つスーツ姿の男性

無事に物件を購入したら、不動産投資家としての本番が始まります。堅実な不動産経営を行うためには、オーナーとしてやるべきことはたくさんあります。

しかしながら、全てのことをオーナーが行うケースは少なく、多くの場合は管理会社に委託する形をとります。ただし、本来は自分が行うべき仕事という意識は持っておきたいところです。

この項目ではオーナーとして行うべき仕事をまとめました。なお、区分マンションを所有している場合は、建物全体の管理維持は管理組合が行うため、以下の全ての仕事を行うわけではありません。

37. 入居者募集

不動産収入を得るために行わなければならない作業は、入居者の募集です。自分で行う場合、WEBサイト掲載用の物件の写真撮影や図面の作成、入居者の審査、契約手続きなどを行う必要があります。

これらの業務は手間がかかるほか、入居者の審査は素人が行うと難しい点がネックです。そのため、多くの場合は管理会社、または不動産仲介会社に入居者募集の業務を依頼します。

なお、管理会社に依頼すると、入居者募集のほか、不動産管理も含めて依頼を一括で行えるため、オーナーが忙しい場合でも不動産経営に関する業務がスムーズに行われます。

38. 共用部分の清掃点検、修繕

共用部分とは、廊下や階段など居住者が共同で利用する場所や、屋根や壁など建物の構造を成す部分などを指します。

これらの部分が汚れていたり、あるいは破損していたりした場合は、速やかに清掃や修繕を行いましょう。居住者が気持ちよく生活できる環境を維持すると入居者の満足度が高まるため、高い入居率を維持しやすくなります。

39. 家賃の回収

家賃の回収はとどこおりなく行われることを目標にしましょう。家賃の滞納が発生すると、回収する作業が発生してしまいます。

家賃の回収がスムーズに行われるようにするためには、審査の段階で入居者を見極めることが重要ですが、審査で問題ないと判断した入居者であっても、諸事情により家賃を払えなくなる場合があります。

そのため、状況に応じて、賃貸借契約書に「家賃を2か月以上滞納したら契約解除を行えるものとする」という条文を盛り込んでおくことも必要でしょう。

40. トラブル対応

トラブル対応は迅速に行うことが基本となります。それによってオーナーに対する入居者の信頼度が高まり、入居率の安定につながるためです。

しかしながら、オーナーの本業が忙しければ、トラブルに対する迅速な対応が難しい場合があります。そのような場合は管理会社に依頼することで、オーナーに代わってトラブル対応が行われます。

41. 入居者退去時に関する仕事

不動産経営を行っていれば、入居者が退去することもあります。その場合にオーナーが行う仕事は、次の入居者が入居できるようにしておくことです。具体的な仕事としては以下のものがあります。

・退去時の立ち会い
・退去後の室内の点検
・原状回復

流れとしては、退去時に立ち会い、退去後に室内の点検を行って原状回復を行います。原状回復とは、入居前の状態に室内を戻すことです。そのために、清掃、破損・汚損した箇所の修繕を行います。

これらの作業を行うことで、次の入居へとつなげられます。

42. 空室対策

不動産経営で安定的な収入を得るためには、空室対策が重要となります。空室対策の基本は、物件をきれいな状態にしておくことです。

入居者が退去した後の原状回復はもちろんのこと、共用部分にも汚れや破損が発生している場合は早めに対応してきれいな状態を保ちましょう。

そのほか、インターネット環境を整備して無料で使用できるようにする方法や、入居後1カ月間は家賃を無料にする「フリーレント」を導入するなど、入居者がお得に感じられように工夫することも空室対策につながります。

43. 必要経費の把握と準備

不動産経営を堅実に行うためには、必要経費を把握しておくことが大切です。主な経費としては以下のものがあります。

・固定資産税、都市計画税などの税金
・減価償却費
・設備の修理費用
・マンションの修繕積立費用
・火災保険料
・管理手数料
・不動産ローンの利息

上記のうち、減価償却費は費用のみが計上され、実際の出費はありません。減価償却費に相当する額は物件の購入時に支払い済みとなっているためです。

また、ローンは利息のみが経費に計上され、元金は経費に計上されませんが、実際には利息と元金を合わせて返済します。

不動産の必要経費はさまざまなものがあるので、あらかじめ必要経費の額を把握しておき、事前に準備してとどこおりなく支払うようにしましょう。

44. 確定申告や税金の知識

不動産投資を行っている場合は、確定申告を行い、定められた額の税金を納める必要があります。確定申告では不動産所得を算出し、所得額に応じて納税額が決まります。

所得は(売上-経費)で計算されます。つまり、1年間の家賃収入から1年間で不動産経営にかかった経費を差し引いた額が不動産所得となります。

所得の種類は、チェックリスト「43」に掲載した内容を参考にしてください。

45. 周辺状況に変化はないか?常にアンテナをはりめぐらせているか

不動産投資家としては、物件の周辺の状況を常にチェックしておきたいところです。なぜなら、物件の周辺の状況が変化すると、入居者にも変化が生じ、家賃収入が変動することもあり得るからです。

例えば、街が発展しているエリアにおいて、アパートやマンションの建設が急激に進む場合があります。そのような場合は入居者の退去が考えられるため、空室対策を講じておく必要があります。市況の流れを常にチェックしましょう。

8.まとめ

1.不動産投資の成功のカギは、不動産投資について正しい知識を得ること
2.不動産投資の目標を立てると、実現のための手段が明確化する
3.資金調達を行うと、少ない手元資金で利益が最大化
4.不動産投資について学ぶなら、書籍を読むことからスタート
5.物件探しはWEB、広告チラシ、足を運ぶなど、あらゆる方法で
6.物件の申し込み手続きは、手順を踏んで確実に行う
7.物件を購入した後が、不動産投資家としての本番

不動産投資を成功させるためのポイントは「どのような目的で不動産投資を行うのか」という点を明確にしておくことです。

目的が明確であれば、不動産投資に対するモチベーションが上がりやすくなるため、綿密な計画を立てやすくなるほか、不動産の取得に向けて積極的な行動をとれるようになります。

不動産投資では物件選びが重要となりますが、それ以上に重要なのは物件を取得してからの不動産経営です。いかに入居者に満足してもらえるか、という観点で経営することが成功の秘訣です。

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サラリーマン大家です。最新の不動産投資セミナーや面談情報、不動産投資に関連する諸々の記事を執筆しています。

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