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不動産投資(土地活用)における等価交換とは?3つのメリットとデメリットを解説|不動産投資セミナーナビ

交換イメージ

相続で土地を取得した人や地主(土地オーナー)の中には、土地売却ではなく何かしらの有効活用を検討している人も多いと思います。等価交換法方式も多数ある土地活用のプランの1つですが、等価交換の仕組みが全く分からないという人も多いのではないでしょうか?この記事では、不動産投資における等価交換方式とは何なのか、メリットとデメリットも解説します。
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不動産投資における等価交換方式とは

土地所有者の中には、デベロッパーから等価交換方式を提案された知り合いがいるもしくは自分自身が等価交換方式を提案されたことがあるという人もいると思います。等価交換方式は複雑な仕組みをしているため、よく理解してから契約しないと「こんなはずではなかった」と後悔する可能性があるので注意が必要です。等価交換方式とは一体何なのかを詳しく説明していきます。

土地活用方法の選択肢の1つ

等価交換方式とは、土地所有者が自己所有の土地をデベロッパーに提供(出資)する仕組みです。しかし、ただ土地を提供するだけでは土地所有者が損をすることになります。そこで、提供(出資)されたデベロッパーは、土地上に分譲マンションといった規模の大きな区分所有建物を建設し、一部を第三者に売却することで利益を得る一方、地主にも土地の価値(出資比率)に応じた建物の権利を譲渡します。

土地オーナーは建築費用を一切負担しないため、賃貸物件を建築するための借入が必要ありません。ただし、建物の価格と土地の価格の差が大きいケースでは、交換差金という差額分の金銭の受け渡しで差額を清算する場合もあります。建築後に土地の価格に応じて配分された建物を売却すれば売却益(譲渡益)、貸し出せば継続的に安定した家賃収入が得られるでしょう。

電卓とメモとボールペン

等価交換方式は大きく以下の2つの契約形態に分かれます。

等価交換方式

・全部譲渡方式
・一部譲渡(部分譲渡)方式

■全部譲渡方式
全部譲渡方式とは、地主が先に土地の権利をすべてデベロッパーに譲渡(売却)する方式です。デベロッパーによる建物の建設完了後、土地の資産価値に応じて建物の権利の一部を取得します。土地の権利者が複数名いるようなケースで選択される傾向がありますが、土地建物を買い戻すことになり、再購入時に不動産取得税や登録免許税がかかるというデメリットがあります。

また、悪質なデベロッパーに騙されると、先に権利を譲渡することによって土地の権利を失うことになるのでリスクが高いという点に注意が必要です。全部譲渡方式を選択することはおすすめしませんが、もし選択する場合は信頼できるデベロッパーなのか事前にしっかり確認することが重要です。

■一部譲渡(部分譲渡)方式
一部譲渡(部分譲渡)方式とは、土地の一部の所有権をデベロッパーに譲渡(売却)する方式です。建設完了後に建物の権利の一部を取得するという点は全部譲渡方式と同様で、土地の所有者が1人(単独所有)のケースで選択される傾向があります。

しかし、全部委託方式とは違い土地は自身とデベロッパーが共有持分を有している状態なので、最後に買い戻す必要がありません。そのため、土地を買い戻す際にかかる登録免許税や譲渡税といった無駄な費用・税金を支払わずに済みます。土地の権利を一部残したまま建物の完成を待つことになり、リスクが低く安心できるので一部譲渡方式をおすすめします。

等価交換等式のメリット

遺産分割で取得した土地もしくは所有している空き地の活用を希望している人が等価交換方式を選ぶメリットとして、以下の3つが挙げられます。

ポイント

・自己資金がなくても投資を始められる
・建築をデベロッパーに委ねられる
・節税効果が期待できる

それぞれのメリットを紹介していきます。

自己資金がなくても投資を始められる

等価交換方式ではローンを組まずに住居を手に入れることが可能です。不動産投資で建物を建築する際は不動産投資ローンを利用するのが通常ですが、ローンを契約せずに済むため、無駄な金利負担が生じません。契約した不動産投資ローンの返済に伴う金利上昇リスク、空室リスク、家賃下落リスクなどを気にせずに済むため、余裕を持って不動産投資に臨めるでしょう。

笑顔で本を読む女性

建築をデベロッパーに委ねられる

建築のプロであるデベロッパーが企画、設計かすべて行ってくれるため、自分で間取りや設備などを決める手間と時間を省けます。不動産投資で建物を建築する際はオーナーが企画・設計に携わるのが一般的です。

しかし、デベロッパーがすべて企画・進行してくれるため、オーナーは建物が完成して引き渡しを受けるまで待っているだけでいいという点が大きなメリットと言えるでしょう。

節税効果が期待できる

土地をそのまま相続する場合、相続税評価額が大きいままです。しかし、マンションが建っていることで借地権割合の関係上、土地の相続税評価額を大幅に下げられます。

高層マンション

土地を売却する場合、地価が上昇していれば譲渡所得税を支払うことになるのが一般的です。しかし、等価交換であれば、立体買換えの特例という優遇措置により譲渡所得税の猶予を受けられます。免除ではなく、最終的に区分所有権を売却する際に譲渡所得税の支払いを繰り延べているだけなので注意してください。

等価交換方式のデメリット

等価交換方式を選ぶデメリットとして、以下の3つが挙げられます。

注意ポイント

・土地を失うことになる
・デベロッパーに主導権を握られてしまう
・交換が完了するまで時間がかかる

それぞれのデメリットについて紹介していきます。

土地を失うことになる

等価交換前は100%土地の所有権を有していても、交換後は全部または一部を失うことになります。等価交換方式を選択した場合、自分の都合で土地を利用できなくなるということです。また、土地の所有者であるデベロッパーの意向の影響を強く受けるという点に要注意です。

デベロッパーに主導権を握られてしまう

基本的には共同で企画を進行していきますが、専門家であるデベロッパーの影響力が大きくなります。

ファイルをめくるスーツ姿の男性

大きな売却益を得るために、原価を抑えて住まいの品質(サービス・グレード)を落とす可能性がある、自身のこだわりを反映できない点に注意が必要です。不利な条件で等価交換をしないよう、しっかりと知識を身に付けてから契約を締結することが大切です。

交換が完了するまでに時間がかかる

建物の建築が完了してようやく土地活用が始まります。等価交換方式では、建物を建築する前の交渉段階で時間がかかることも珍しくありません。交渉開始から建物の建築完了までに1年以上かかることもあるということを十分に理解した上で契約を締結しましょう。

知識を身に付けてから臨むことが重要

等価交換方式は支出を抑えながら不動産投資を始められる点が魅力ですが、すべての土地所有者に等価交換方式が向いているわけではありません。

駅近、周囲に日常生活に必要なスーパーやドラッグストアといった施設があるなど立地条件が優れているケースでは、売却するまたは自分で賃貸物件を建築したほうが多くの利益を得られる可能性があります。上記のように不動産投資にはさまざまな手段があるため、自分に合った方法が何なのかをまずは勉強して知ることが大切です。

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