任意売却とは、住宅ローンや不動産投資ローンなどの各種ローン(融資)の借入金(残債)を滞納し売却代金では完済できないケースで、金融機関の同意を得て不動産を売却することです。
任意売却物件や競売物件などの訳あり物件は、相場よりも安く手に入る可能性があるため、任意売却物件で不動産投資を開始したいと考えている人も多いのではないでしょうか?
この記事では、任意売却物件の探し方、投資対象として任意売却物件を選択するメリット、デメリットを解説します。
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目次
任意売却物件の探し方
賃貸マンションや賃貸アパートなどの収益物件、一戸建てを取得し不動産投資を始めたいと考えている人の中には、一般的な物件と比べて価格が安めの任意売却物件に興味がある人もいると思います。
初期費用(初期投資)を抑えることができれば有利に不動産投資を進められるため、任意売却物件を投資対象としている不動産投資家も少なくありません。
しかし、任意売却物件は一般的な物件とは違い頻繁に発生するものではないため、不動産業者や他の不動産投資家に取られる前に物件購入に臨めるかどうかが重要です。任意売却物件の探し方は以下の2つです。
ポイント
・任意売却専門サイトで検索する
・任意売却物件を得意とする不動産会社に相談する
それぞれの探し方を詳しく説明していきます。
任意売却専門サイトで検索する
任意売却専門サイトとは、任意売却物件の検索から購入までの流れをサポートするサイトです。物件情報を掲載しているページに不動産会社の問い合わせ先やリンクが用意されている場合は、直接不動産売買の交渉に臨めます。
しかし、物件情報のみが公開されているサイトの場合には、別途不動産会社への問い合わせが必要で、手続き(売買契約の締結)に手間と時間がかかる点に注意が必要です。
任意売却物件を得意とする不動産会社に相談する
任意売却物件の取引を専門的に扱っている不動産会社をネットで探すのも選択肢の1つです。他の不動産会社との差別化を図るために任意売却物件を専門とする不動産会社も増えています。
しかし、任意売却物件を紹介している不動産会社であればどこでも良いというわけではありません。取引実績や掲載情報などを比較検討しながら相談先を決定しましょう。
ポイント
・相場よりも安い価格で物件が手に入る
・健全なキャッシュフローを目指しやすい
・掘り出し物が見つかる可能性がある
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
相場よりも安い価格で物件が手に入る
任意売却物件は訳あり物件に分類されるため、一般的な市場価格と比較すると売出価格が安めです。そのため、通常の中古物件を取得するより初期投資を抑えながら不動産投資を開始できます。
また、取得後に不動産物件の査定を依頼し、取得価格よりも高く買主が見つかりそうであれば、そのまま売却して売却益(譲渡益)を得ることも可能です。不動産投資を有利に進められるため、任意売却物件で不動産投資を開始するのはおすすめです。
健全なキャッシュフローを目指しやすい
初期投資を安く抑えられるため、高利回りでの運用が期待できます。表面利回りは「年間の家賃収入÷取得価格」で算出します。そのため、取得価格を安く抑えられれば、高利回りでの運用が可能です。
高利回りであるということは、収益性が高く、返済に充てられる資金が多いため、健全なキャッシュフローを維持しながら不動産投資に取り組める環境が整っているということです。残債務の返済(支払い)に追われて苦しい思いをするリスクを大幅に軽減できるでしょう。
掘り出し物が見つかる可能性がある
一般的な不動産売買は売主の都合で売却を進められますが、任意売却物件は成約までに時間的な制限を受けているケースが多いです。そのため、通常は見つからない好立地な物件が低価格で見つかる可能性があります。
任意売却は返済力がない人が選択する最終手段なので、収益物件に十分な修繕を実施できていないケースも多いです。修繕やリフォームにより資産価値を高められれば、賃貸による家賃収入だけでなく、転売による売却益・譲渡益も期待できるでしょう。
投資対象としての任意売却物件のデメリット
投資対象として任意売却物件を選択するデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
注意ポイント
・成約までに時間がかかりやすい
・瑕疵担保責任(契約不適合責任)が免責になる
・ローン審査に通りにくい
それぞれのデメリットを詳しく説明していきます。
成約までに時間がかかりやすい
任意売却の場合、最終的に債権者(銀行など)のチェックが入るので時間がかかるのが一般的です。任意売却物件にはすぐ運用を開始したいと考えていても、債権者に対応に大きく左右されてしまうという注意点があることを覚えておきましょう。通常の中古収益物件の場合は、売買契約が成立して物件の引き渡しを受ければ、すぐに家賃収入を得られます。
しかし、任意売却物件の場合は、すぐに家賃収入を得られるわけではないので、余裕のある運用計画を立てることが重要です。
瑕疵担保責任(契約不適合責任)が免責になる
任意売却は相手に資金的な余裕がないため、瑕疵担保責任が免責になるのが一般的です。通常の不動産売買では、売却後の不動産に瑕疵が潜んでいた場合は売主が責任を負います。
しかし、任意売却では、瑕疵担保責任が免責されるため、瑕疵が見つかった場合は買主負担になります。もし、物件に大きな瑕疵が潜んでいた場合、物件を安く手に入れたとしても修繕費用がかかることによって損をする可能性も。購入後のトラブル・リスクを軽減するためにも、購入前にしっかり物件を確認しておくことが大切です。
ローン審査に通りにくい
任意売却物件は適切な修繕が実施されていないケースがあります。資産価値が低い物件と判断された場合には、金融機関の融資審査が通らない可能性があるという点に注意が必要です。
融資審査に通らなければ、現金での購入もしくはフリーローンを利用することになります。フリーローンとは、利用目的が制限されていないローンで、高金利、返済期間が短いのが特徴です。
現金で購入する分には全く問題ありませんが、フリーローンは余程好条件の物件でない限り返済負担が重くのしかかるのでおすすめしません。少しでも融資審査を有利に進めたいのであれば、金融機関と連携している不動産会社に相談することも選択肢の1つといえるでしょう。
専門家のサポートが必要不可欠
投資対象として任意売却物件を選択することは、一般的な収益物件を取得して運用するより専門的な知識が求められます。知識や経験が少ない不動産投資初心者が任意売却物件投資を選択した場合には、トラブルに発展し対応できずに不動産投資が失敗に終わるおそれがあるので十分注意が必要です。
少額で不動産投資を始める点においては、選択肢は任意売却物件以外にもありますので、ご自身にあった投資スタイルを確立してください。
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